ティータン「香港の競馬は世界で一番と言っていいほど厳しい。日本はそうじゃないから去年は戸惑った」

―昨年、日本の競馬にはどんな印象を持った？

　「南アフリカ、香港などいろんなところで騎乗したけれど、去年初めて経験した日本の競馬はすべてが印象的だった」

　―印象的だったこととは？

　「レース、競馬場とトラック、そのマネジメント、馬のレベル、人…。香港とは質が違うけれども、どれもが忘れられない印象を残してくれた。札幌は本当にきれいな競馬場だった。それに何といっても、人、騎手の仲間たち、調教師、厩舎スタッフみんなが僕に親切にしてくれた。英語ができる人は香港より少ないけれど、僕を快適に過ごさせるために一生懸命にやってくれたことは忘れられない」

　―昨年は函館２週、札幌１週の参戦で、３０回騎乗して２勝、２着２回、３着１回という成績だった。

　「ちょっと残念な結果だったね。もっと勝ちたかった。でも初めてだったからね…」

　―香港の競馬とは勝手が違った？

　「知ってるだろう、香港の競馬は世界でも一番と言っていいほど厳しい。馬はきっちり２列縦隊、馬と馬は鐙（あぶみ）と鐙がぶつかるくらいの距離の中でレースをする。日本はそうじゃないよね。だから、去年はそれに戸惑ったところもあるんだ」

　―となると、今年は？

　「日本の競馬を３週間とはいえ経験できたことは大きなアドバンテージだ。今年の僕は去年とはひと味違うよ！　調教師やオーナーの皆さん、そしてファンの皆さんに去年とは違う僕を見てもらえることをここでお伝えしたい。送り出してくれる香港のためにも去年以上の成績を残さなくちゃいけない」